ホームシアターとプロジェクター
学校の授業、研究発表のプレゼンテーション、家庭でビデオや映画の上映など様々なシーンでおなじみのプロジェクター。
すっかり身近な存在ですよね。
私が子供の頃、学校ではOHPで資料を投影していましたが、今となってはすっかり見かける事すらなくなり、いつからかプロジェクターが主役となってしまいました。
プロジェクターに今回スポットを当てたのは、我が家では家を新築することが決まった際に、ふとしたことで家電量販店の特設コーナでホームシアターの事を知りました。
それ以来、「我が家にもホームシアターを作るぞ」と野望を抱いておりました。
新築時に組み込みでなんとしても願いを叶えたかったのですが、お世辞にも高いとは言えない収入で建つ家など、たかが知れており、狭い家に立派な作り付けのホームシアターなどできるわけがなく、ならば自分でホームシアターを作ろうと夢を描き続けていました。
我が家は半注文住宅なのである程度は自分の思いを設計に織り込むことができました。
そこで建築士さんにお願いして、とりあえず天井に機材をセットできるように補強をお願いしたのでした。
と、前置きが長くなりましたが、まずはプロジェクターを選ぶ際に決め手となる性能情報の見方などの情報をご紹介します。
1.プロジェクターの分類
プロジェクターには学校や会社での資料投影を目的とするビジネス用途のプロジェクターと、家庭などで映像作品を視聴する目的に使用するプロジェクターに分けられます。
特徴として、ビジネス用途のプロジェクターは教室や会議室など広い部屋で使用するため投影した映像が明るい必要があります。
またビジネス用途では比較的起動中の音が大きくても許容されます。
また、シビアな画像再現(色や歪み)についてはおおらかな印象があります。
一方家庭用の映像視聴用プロジェクターでは画質や静音性、設置性が求められます。
家庭では会議室のような広い投影環境が無いため住環境に柔軟に設置できる工夫がされています。
最近ではスクリーンまで近距離に設置できたり、正面ではなく斜めからの投影に対して補正して投影する機能が優れているものが出てきています。
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2.明るさ
明るさは「ルーメン(lm)」という単位で表します。
理科の授業でも習ったと思いますが、ここでちょっとだけおさらいです。
「ルーメン」は光の量を示しています。
プロジェクターの光源が発する光の量ですね。
ちなみに照らされた側の明るさの単位はルクスになります。
プロジェクタは大きなスクリーンに投影する場合は距離が必要になります。
距離が遠くなれば照らされる側の明るさは暗くなります。
大きく投影するには「ルーメン」の値も大きいほうがいいのです。
発する光が強ければ当然ながら遠くに投影しても明るい映像が楽しめます。
つまり「ルーメン」の値が高ければ大きなサイズのスクリーンサイズでも会場や部屋を暗くせずに、より明るくはっきりとした映像になってきます。
さて、プロジェクターの「ルーメン」の目安ですが、以下を参考にしてみてください。
■モバイル用プロジェクター(ミニプロジェクター)
500ルーメンから1500ルーメン位の出力です。
近距離で5,60インチサイズまでの画面投影に向いています。
持ち運びが便利な分明るさ的には十分とは言えないようです。
汎用的と言えないので利用する目的やシーンにあわせたプロジェクター選びが必要です。
■家庭用プロジェクター
2000ルーメン前後~3000ルーメン前後。
家庭用では2000ルーメンあればいいでしょう。
家庭で鑑賞する場合は部屋を暗くすると思いますが、昼間遮光が不十分な状況での利用やお子さんと鑑賞する場合はあまり暗くできないため、より出力の大きいものがおすすめです。
■ビジネス用
ビジネスシーンでの利用ではまとまった人数に対して投影しますので、ある程度の出力が必要です。
10人までの打ち合わせテーブルや小会議室ですと、近距離でホワイトボードや移動式のスクリーンに投影しますので3000ルーメン前後あれば十分です。
大会議室用(20~50人)で3000ルーメン~7000ルーメン程度。
ホール等(100名程度)で7000ルーメン~10000ルーメン程度。
大空間、イベント会場などでは10000ルーメン以上を選択します。
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3.解像度
解像度は映像を映し出す際のキメの細かさです。
映像は縦と横のドット数(マス目の数)で表します。
つまり解像度が「1280×800」であれば横に1280個、縦に800個のドットで表現されるということです。
解像度が「800×600」より「1280×800」の方がより緻密で綺麗な映像表現が可能になります。
また、解像度の数値が大きいほどPCの画面を投影した際の表示画面サイズが広くなりますのでこちらも選択の際に考慮してください。
解像度には名前がついています。以下を参照してください。
4K 3840×2160
フルハイビジョン1920×1080
WXGA1280×800
ハイビジョン1280×720
XGA1024×768
SVGA800×600
VGA640×480
4.コントラスト比
投影する映像の白い部分と黒い部分の明るさの比率です。
コントラスト比が「2000:1」というのは黒い部分の明るさが1に対して白い部分の明るさが2000ということです。
この比率が大きいほどはっきりとした鮮明な映像になると言うことなのです。
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5.パネルタイプ
パネルタイプは3タイプありますが、家庭用は主に液晶とDLPとなっています。
■液晶(3LCD方式)
光源からの光を液晶パネルに当てて透過した光を投影します。
色の表現は三原色赤、緑、青の液晶で行っています。
ただし高解像度や高画質には弱い向きがあります。
■DLP
デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)という素子に光を当て多彩にミラーの向きを変えることで映像を表現しています。
家庭用ではDMDが1チップで部品数が少なく小型化が可能で比較的安価になっています。
コントラストが高く表現できて画質も高くなっています。
■LCOS
反射型液晶プロジェクターと言って液晶タイプの1つです。
シリコン基板上に反射型液晶を載せてそこに表示された映像を基盤背後のランプの光をはんしゃして映像を投影します。
高解像化、高コントラストが表現できますが構造が複雑となり大型であり価格も高めとなっています。
6.設置方法
▪️モバイルタイプ
電源はバッテリーからの給電で持ち出す事を前提とした設計になっています。
出先でのプレゼンに威力を発揮しますがバッテリーの持ち時間に左右されるのが注意点です。
▪️据え置きタイプ
一般的に普及しているタイプです。
テーブルや机の上に設置して使用します。コンセントからの安定した給電の為、出力も大きく安定して投影が出来ます。
▪️常設タイプ
家や会議室、学校の教室などに、あらかじめプロジェクターを使用する事を前提として建物を作っています。
スクリーンも同様に作り付けで設置されています。
起動するのにプロジェクターを取り出して設置する手間がなく、リモコンひとつで起動できるのが利点です。
最近はマイホームの建築時点で組み込んで、ホームシアターを楽しむ方も増えているようです。
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7.最後に
以上、プロジェクターについてお届けしました。